【demonstrate:証明する】


●このメールを読者の方が読んでいる頃にはサッカーの日本代表
の試合結果は出ていることと思います(原稿を書いている時点では
まだ試合開始前)。結果がどうあれ、きっと次のように言う人は
少なからずいると思います。「ほらね。こういう結果になると思って
いたんだよ!」さて、本当にそう思っていたのでしょうか?


ある事実が客観的に存在していたことを証明するためには、少なく
とも第三者が知覚できる状態にしなければなりません。自分の頭の
中に留めておいただけでは、誰も認識できないですから。さらに、
証拠としての証明力を高めたいのであれば、書面等の有体物として
残しておくべきです。


●私はよく契約交渉を頭の中でシュミレーションします。「××に
ついて質問されたらどう答えよう?」「○○を証明しろと言われたら
何を見せよう?」と考えて、必要になりそうな資料を揃えておくのです。
法律や契約に関わる仕事をする人というと、頭が固くて融通がきかない
イメージがあるかもしれません。しかし、不測の事態に臨機応変に
対応し、適切な証明を行うためには、豊かな想像力を要求されることも
事実です。


●英文契約書では以下のような文言が記載されることがあります。


Confidential Information shall not include information that
 recipient can demonstrate was rightfully in its possession prior
 to disclosure to recipient by discloser.


「開示者による受領者への開示前に適法に保持していたことを受領者が
証明することができる情報は秘密情報に含めないものとする」