【supersede:取って代わる】


●法務の仕事は、営業や開発部門の業務に比べて、受動的なところが
多いと思います。社員への啓蒙活動や規程の整備等で自ら能動的に動く
こともありますが、基本的には、現場からの「××やりたいんだけど
法律的に問題無い?」「××するのに契約書を作って」との依頼で仕事
が始まります。


そして、ビジネスには不確定要素がつきもの、一度作成した契約書を
修正しなければならない事態も多々発生します。「実は、X社との検討
目的が変わっちゃって、この前締結した秘密保持契約でカバーされる?」
「Yプロジェクトに付随して××の開発も行うんだけど、新しい契約
いらないよね?」なんて話が舞い込むこともしばしば。こちらとしては
「先に言ってくれよ〜。そしたら最初の契約でカバーできるように文言
考えたのに〜」という思いになるのですが、仕方ありません。事前の
契約スキーム検討に際して、将来発生しうる事項で実現可能性が高い
ものを契約に盛り込めるよう、現場の部門から聞き出すコミュニケー
ション能力に磨きをかけなければいけません。


●既存の契約の一部を修正する変更契約では、既存の契約との関係を明記
した方が無難です。英文契約書では以下のような文言が記載されることが
あります。


In the event of any conflict between the terms of this Amendment
and those of the Agreement, the terms of this Amendment will be
 deemed to have superseded those of the Agreement and will
 exclusively govern the matter in question


「本変更契約と(締結済みの)契約との条項に矛盾が生ずる場合、
本変更契約の条項が契約に取って代わり、排他的に問題となる事項を
規定するものとする」