【譲渡:assignment】


●assignmentは譲渡という意味の名詞です。動詞はassignです。通常、
アサインは、割り当てるという意味で「仕事をアサインする」などと
使いますが、契約書では権利を譲渡するという文脈で出てきます。


物品等の売買ではない、債権的な契約においては、法令等で禁止されたり、
契約書中に文言がなければ、契約当事者としての地位を移転することは
可能です。ですが、相手の立場からすれば、突然、契約の相手方が
変わってしまうと、契約を締結した目的が達成されなくなってしまう
こともあります。そこで、権利譲渡を禁止する文言を盛り込むのです。


●民法では債権を譲渡した場合、権利を譲渡した債権者が債務者に通知
するか、債務者が債権譲渡を承諾しなければ、権利を譲渡された者は
権利を主張できません。


例えば、貴方が誰かに借金していたとして、貸主が第三者に貸金債権を
譲渡したとします。その第三者が「債権の譲渡を受けたから、借金は
俺に返せ」と言って来た場合、貸主から債権譲渡の通知無く、貴方が
債権譲渡を承諾しなければ、当該第三者にお金を払う必要は無いのです。


因みに、これはあくまで第三者との関係の問題であって、借金が棒引きに
なるわけではありません。悪しからず。


●契約書中では以下のように使われます。

None of the parties shall assign this Agreement or any of its
 rights and obligations hereunder whether in whole or in part
 without the prior written consent of the other parties.  


これを翻訳すると以下のようになります。

「両当事者は、相手方から事前に書面による同意を得ることなく、本契約
および本契約上の権利義務の全部もしくは一部を譲渡しないものとする」