●差止命令とは、現在存在する、もしくは近い将来に発生する可能性が
ある違法状態を排除するために、裁判所が自然人や法人に対して、一定
の行為をなすことを禁じたり、もしくは、一定の行為を行うことを命じる
ものです。この数日は政治家の親族に関する記事を掲載したとして、
大手出版社の週刊誌が出版禁止の仮処分命令を受けたことがニュースに
なっています。
●今回のケースでは、個人のプライバシーと表現の自由の衝突に際して、
どのような利害調整を図るべきかということが問題になりました。表現の
自由は、人権の中でも最も重要な人権の一つと言われています。一方、
個人のプライバシーもそれに劣らないほど重要です。このような判断が
微妙な問題に対して、瞬時に判断を下すことは非常に困難です。日頃から
問題意識を持って、自分の考えをまとめておく必要があるのかもしれません。
●契約書中では以下のように使われます。
Licensor may apply for and have an injunction restraining the
breach or the threatened breach of any of the covenants hereof
これを翻訳すると以下のようになります。
「ライセンサーは、本契約の違反もしくはその恐れがある場合、当該違反を
制限するために差止命令を申請し、当該命令を受けるものとする」
