【輸出管理:export control】


●外国企業との取引を行う上で、忘れてならないのは輸出入に関する
法令の存在です。端的に言うと、輸出入に際しては役所の手続きを遵守
しなさいということです。本来、自由貿易体制下では、人々は自由に
輸出入が行えるのが原則ですが、日本及び日本国民の国内・国際的な
利益を守るために、必要最低限の制限を課されることは仕方ありません。


日本では、「外国為替及び外国貿易法」(いわゆる外為法)を基本法と
して、輸出については、貨物に関する「輸出貿易管理令」と役務(技術
などを指します)に関する「外国為替令」、輸入については「輸入貿易
管理令」や「関税定率法」といった法令を定め、さらに、その下にいくつ
もの通達が存在する形で、輸出入管理が行われています。外為法以外にも、
対象物によって個別の国内法で輸出入制限を課されているものもあり
ます。(実務では案件毎にこれらの法令を調べて許可の要否を判断して
いくのですが、数が多く関係も複雑なので、結構、根気のいる作業です)


●契約書では、これら諸法令による輸出入管理の義務を履行する旨を
表明する文言が入れられます。この点について注意すべきは、米国企業
との取引に際して、米国は輸出先企業が第三国へ再輸出する場合にも、
米国法に従うことを要請していることです。他国民のやることに口出し
をして余計なお世話と思うかもしれませんが、米国法令違反が発覚すると
米国製品の輸入ができなくなることもありますので、慎重に対応すべき
です。


輸出入実務についてはその他色々あるのですが、話が長くなりますので、
この辺で止めておきます。


●契約書中では以下のように使われます。


Customer will not re-export, directly or indirectly, the Product
 without complying strictly with the U.S. Government export controls. 


これを翻訳すると以下のようになります。


「顧客は、米国政府の輸出管理に厳格に従うことなく、直接間接を問わず、
製品を再輸出しないものとする」