【independent contractors:当事者間の独立】


●今回も例のごとく、英文契約書に特有の言葉です。秘密保持契約
(Non-Disclosure Agreement)ではindependent development(独立
の開発)、ライセンス契約などではindependent contractorsという文言
で出てきます。


これは、特定の目的に関して契約を締結したとしても、それ以外の目的
に関しては、両当事者は何の関係のないことを宣言するものです。contractors
は「請負業者」「契約人」という意味ですが、条文の主旨から、ここでは
「当事者間の独立」と訳しました。


●秘密保持契約におけるindependent developmentについては、「英文
契約書なんて恐くない!vol10」で解説しました。秘密情報の受領当事者
は、独自に当該類似の情報を取得・開発する可能性があることを明言する
ものでした。


せっかく契約を締結して仲良く仕事をしようとしているのに、突き放す様な
文言で、読んでいて素っ気無い印象を受けます。ですが、契約書というのは
当事者の関係の発生から終了までを、ドライに定義する必要があることも
事実です。どこかの文章で読んだのですが、「契約とは結婚するにあたって、
離婚の取り決めをするようなものだ」と書いてありました。こう書かれると
ちょっとやな感じですよね(笑)。


●契約書中では以下のように使われます。


Licensee’s relationship is that of an independent contractor, and
 neither party is an agent or partner of the other. Licensee will 
will not represent to any third party that it has any authority
 to act on behalf of Licensor.


これを翻訳すると以下のようになります。


「ライセンサーとライセンシーとの関係は独立したものであり、両当事者は
相手方の代理人もしくはパートナーと見なされない。ライセンシーは、第三者
に対して、ライセンサーの代理人となる権限を有しているかのように表明しては
ならない」