自治体の処理する事務のうち、自治事務に関しては法律で内容的な
定めを設けることはできず、このような定めは法定受託事務に限定
される。
(平成19年第21問)


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解説
憲法92条は「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方
自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」としています。地方
公共団体に対して、地方自治の本旨(住民自治と団体自治)に
反しない限度において、法律の範囲内で自治を認めています。そして、
この憲法の条項を受けて、地方公共団体の区分、組織、運営等に
ついて地方自治法が定められています。
 
地方公共団体の事務については、地方自治法2条2項が「普通地方
公共団体は、地域における事務及びその他の事務で法律又はこれに
基づく政令により処理することとされるものを処理する。」として
います。地方公共団体の事務には自治事務(定義は2条8項)と
法定受託事務(定義は2条9項)がありますが、本条項ではその
区別をしていません。

発展学習として、法律と条例の関係について考えてみましょう。

関連条文
日本国憲法

第九十二条  地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法
律でこれを定める。 

地方自治法

第二条  地方公共団体は、法人とする。 
2  普通地方公共団体は、地域における事務及びその他の事務で法律又はこれに基づく政
令により処理することとされるものを処理する。・・・ 

7  特別地方公共団体は、この法律の定めるところにより、その事務を処理する。 
8  この法律において「自治事務」とは、地方公共団体が処理する事務のうち、法定受託事務
以外のものをいう。 
9  この法律において「法定受託事務」とは、次に掲げる事務をいう。 
一  法律又はこれに基づく政令により都道府県、市町村又は特別区が処理することとされる
事務のうち、国が本来果たすべき役割に係るものであつて、国においてその適正な処理を特
に確保する必要があるものとして法律又はこれに基づく政令に特に定めるもの(以下「第一号
法定受託事務」という。) 
二  法律又はこれに基づく政令により市町村又は特別区が処理することとされる事務のうち、
都道府県が本来果たすべき役割に係るものであつて、都道府県においてその適正な処理を
特に確保する必要があるものとして法律又はこれに基づく政令に特に定めるもの(以下「第二
号法定受託事務」という。)