【due diligence:相当の注意、詳細調査】


●dueという英単語は英文契約書や英米法の教科書等において色々な意味
で出てきます。適正という意味ではdue process of law(適正手続、
法の適性な過程)が有名です。また、金銭の支払いに関する条文でも
使用されます。due date(支払期日)や、"The fee will be due on
 27th May"「料金は5月27日に支払う」といった形です。diligenceの
意味は注意義務です。


ですから、due diligenceは直訳すると「相当の注意」となります(法律
によっては、この「相当の注意」を「善良なる管理者の注意(略して
善管注意)」と呼ぶこともあります)。相当の注意は、通常よりも
程度が重い注意を意味するとされます。例えば、物の保管において相当
の注意義務を課された場合、自己の所有物を管理するよりも慎重な態度
が求められます。


●気をつけなければならないのは、due diligenceが法律行為や契約
の種類によって、相当の注意とは異なる意味で使われることです。
それは、企業買収、企業合併等においてなのですが、その場合、due 
diligenceは「詳細調査」などと訳されます。


詳細調査とは、企業買収の判断材料とするために、買収する相手方の経営、
財務、法務、製造、営業等の状況を詳細に調べ上げることです。買収の
ターゲットとなった会社はこれらの情報を提供し、契約時には提供した
情報の正確性を保証します。


●相当の注意としてのdue diligenceは、契約書中で以下のように
使われます。


X and Y must exercise due diligence in the handling and management
 of the copies and reproductions.


これを翻訳すると以下のようになります。


「XYは、相当の注意をもって、複写物・複製物を取扱い、管理しなければ
ならない」