土地収用法に基づいて、土地所有者が起業者を被告として提起する
損失補償に関する訴えは、行政事件訴訟法4条の当事者訴訟に当たる。
(平成19年第19問)

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回答 ○

解説
行政事件訴訟法4条に定められる当事者訴訟とは、行政庁の処分又は
裁決に関する訴訟で、法令の規定によりその法律関係の当事者の一方
を被告とするもの(形式的当事者訴訟)、及び公法上の法律関係に
関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟(実質的
当事者訴訟)を言います。

そして、土地収用法133条3項は、収用委員会による土地収用裁決
のうち損失補償額に不服がある場合は、土地所有者と起業者間で訴訟
を行うことを定めています。従って、これは形式的当事者訴訟に当たり
ます。

土地収用自体に不服が無く、その補償金額のみに争いがある場合は、
当事者間で争わせた方が合理的な解決を導ける、と法が考えているもの
と思われます。この土地収用における損失補償に関する訴えは、形式的
当事者訴訟の典型例として問われることが多いので、この機会に理解して
下さい。

発展学習として、実質的当事者訴訟の例について調べてみましょう。

関連条文
行政事件訴訟法

(当事者訴訟) 
第四条  この法律において「当事者訴訟」とは、当事者間の法律関係を確認し又は形成する
処分又は裁決に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とする
もの及び公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟を
いう。