AがB所有の土地をCに売却した場合、Cは、悪意または有過失で あっても、20年間、所有の意思をもって平穏かつ公然とBの土地を 占有継続すれば、Cは土地の所有権を時効取得する。 (平成19年第27問) 回答 ○ 解説 本問は他人物売買に関係するような問題に見せかけて、実は単純な 取得時効に関する問題です。惑わされないようにしましょう。 民法162条1項は、悪意の占有者であっても20年間の占有を継続 すれば時効取得できる旨を定めています。時効制度の趣旨として三点 があげられますが、そのうちの一つが、法律関係の安定のために、長期 間存続した事実を法律上の関係として認める、というものがあります。 悪意占有者も当該利益を享受できる立場にありますが、善意占有者に 比べると、占有期間の点で不利になっています。 発展学習として、時効制度の趣旨の残りの二点を確認してみましょう。 関連法規 民法 (所有権の取得時効) 第百六十二条 二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した 者は、その所有権を取得する。 2 十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有 の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。 |