【implied:黙示的な】


●日本的な物事の進め方を表す言葉として「暗黙の了解」があります。
「阿吽の呼吸」や「つうかあの仲」も同種の意味でしょうか。
つまり、何も言わなくても、または一言で、相手の考えていることを
察知し、それに応じて行動を取るのです。ビジネスでこのような関係を
第三者と築いたとすれば、それは素晴らしいことです。しかし、
今や、そのような関係を期待するのは難しいのかもしれません。
特に相手が外国人であれば尚更です。


契約書の世界では、基本的に、明示的に(explicit)書いてあることが
絶対であり、書かれていないことは当事者双方が自己に都合良く解釈する
ことになります。ですから、相手にある権利を許諾する場合、それ以外
の権利は明示的にも黙示的にも許諾しないことを明言すべきです。
こちらの意図を勝手に解釈されないように注意しなければなりません。


●契約書では以下の通りに記載されることがあります。


All Confidential Information remains the property of Discloser 
and/or its licensors and no license or other rights to Confidential
 Information are granted or implied hereby.  


これを翻訳すると以下のようになります。


「全ての秘密情報は開示当事者及び/又はそのライセンサーの財産であり、
秘密情報についての一切のライセンス又はその他の権利が本契約により、
明示的にも黙示的にも許諾されるものでもない」