【ライセンス保守契約書1「ライセンス保守契約とは?」】


●今回からはライセンス保守契約について解説します。ライセンス保守
契約とは、文字通りライセンスしたものを、場合によっては第三者が
ライセンスしたものを保守・メンテナンスすることを目的とした契約
です。既に何度か書いていますが、特にソフトウェア・ライセンスでは、
不具合(バグ)が発生するのは不可避な所があります。また、バージョン
が改訂される頻度も高く、一度、納入したら終わりというビジネスでは
ありません。


ライセンス契約の中に保守条項を設置することもあります。保守料金は
ライセンス費用に含まれる場合も、別途課金される場合もあります。
ライセンス契約と別個にライセンス保守契約を締結するのは、保守作業
の頻度が高い場合、作業の対象、条件等を詳細に決めなければならない
からです。この場合は作業が有償になることが多いと思われます。


●保守作業が多いと言っても、ライセンス対象物に不具合が多いこと
だけが原因とは限りません。ライセンス対象物の内容が複雑で、顧客が
利用するのに色々と指導を仰がなければならないものがあります。また、
顧客の事務所内でのライセンス対象物の設置にライセンサーの助けが
必要なこともあるでしょう。


ライセンス対象物自体の価格を抑えつつ、保守作業で収益をあげると
いうビジネスモデルを採用するライセンサーもあると思います。
通常、保守作業はライセンス期間に合わせて半年から1年単位になります
し、ライセンスが継続される限り保守作業も継続されるでしょうから、
長期の収入が確保されます。さらに、保守作業を行っていれば、顧客と
接する機会が増え、色々なビジネスチャンスに繋がることも期待できます。


●ライセンス保守契約に規定されるのは、保守作業の対象、作業内容、
作業対象の例外、作業費用等になります。当該条文を簡略にすれば、
ライセンス契約の保守条項にも対応できると思います。実際の文言は
次回から見ていきましょう。