【jurisdiction:裁判管轄】


●準拠法(governing law)と並んで、国際契約交渉において大いに
揉めるのが裁判管轄です。契約から発生した紛争をどこの裁判所で
裁判するのか予め合意しておくものです。前回も書きましたが、
通常は準拠法とされる国の裁判所が指定されます。当該準拠法の
解釈・適用については、その国の裁判所が最もふさわしいからです。


当然、自国の裁判管轄とすることが有利ですから、お互いが自国の
裁判管轄を主張し合います。公平を期して第三国の裁判管轄を指定
することや、仲裁条項とすることもありますが、当事者の力関係
によっては強引に相手方の国の裁判管轄を押し付けられることも
あります。裁判管轄は絶対に譲歩しない方針の会社もあるでしょう
から、そのような場合は、裁判管轄を譲歩して、他の条文で有利な
条件を引き出すという交渉方法もあり得ます。


●英文契約書では以下のような文言が記載されることがあります。


The Federal and State Courts of California shall have exclusive
 jurisdiction to adjudicate any disputes arising out of the Agreement.


「本契約から発生する一切の紛争に関する裁判は、米国カリフォルニア州
内にある連邦裁判所および州裁判所が独占的管轄を有するものとする」