【know-how:ノウハウ】


●「ノウハウ」はもはや日本語としてもそのまま使われています。
公正取引委員会が平成11年に公表した「特許・ノウハウライセンス
契約に関する独占禁止法上の指針」によると、ノウハウの定義は
「秘密性を有し、適切な方法により記述又は記録されているなど適切な
形で識別可能な産業に係る一群の有用な技術情報をいう」となって
います。


ここで注意すべき点は、ノウハウは「適切な形で識別可能」となって
いることです。この文言を解釈すると、ノウハウが紙面上に記載され、
また、電子記録媒体中にデータとして保管される等、有体物となって
いることが必要になります。「ノウハウ」と聞くと、頭の中にある
知識のことを指すと考えてしまいますが、知識が有体物として管理可能
になって初めてライセンス契約の対象となり、法的な保護が与えられる
のです。


●英文契約書では以下のような文言が記載されることがあります。


Confidential Information shall mean any information disclosed by
the Disclosing Party, either in writing, orally or visually,
which is marked as "Confidential" at the time of disclosure,
 including but not limited to formulas, databases, software,
 know-how, inventions, processes, trade secrets, product 
development plans, marketing plans, finances, costs, business
 opportunities, and personnel. 


「秘密情報とは開示者によって書面、口頭、または視覚的に開示される
情報で、開示時に"Confidential"と明示されるものを言う。当該情報には
数式、データベース、ソフトウェア、ノウハウ、発明、工程、企業秘密、
製品開発計画、マーケティング計画、資金調達、費用、事業機会及び人事
に関するものを含むが、これらに限定されるものではない」